水素で走る燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」は本体車両価格741万円と、非常に高額の自動車です。
2年に1回の車検にも高額の費用がかかることが予想されますが、実際はどの程度の費用が必要なのでしょうか。
- エコカー減税により自動車重量税は0円
- ガソリン車にはない水素タンクの点検費用が必要
- 実際の車検費用は約14万円
ミライはエコカー減税の対象車であり、新車購入時および初回車検時には自動車重量税が100%免除される特例措置を受けられます。
税制面で優遇される反面、ガソリン車には必要ない水素タンク点検のための費用が発生する上、交換するパーツが高額になりやすい傾向にあり、時間が経過するにつれて車検費用は高くなりがちになるといえます。
2015年12月に納車されたミライの初車検時には、およそ14万円の費用が必要という事例がありました。用心のために交換した消耗品もあるため、さらに安く済ませることは十分に可能です。(私のMIRAIで車検をした際には実例として情報更新します!)
ほか、水素補給のなども含めたランニングコストについてはこちらの記事を参照ください。↓
MIRAI(ミライ)はエコカー減税で自動車重量税が0円
車検時には、どんな車にも必要な法定費用として以下の3種類の費用がかかります。
自賠責保険料
印紙代
これらはミライを車検に出す際にも必要な費用ですが、一部の費用が免除とされる優遇措置を受けられます。
エコカー減税最高の減免率で5年間0円
画像引用:チューリッヒ保険会社
自動車重量税は、車両本体重量に対して課税される税金です。
車体が重ければ重いほど高額の税金が課せられ、車体重量1,850kgのミライは新車購入時に3年分として49,200円、継続車検時に2年分として32,800円の自動車重量税が課せられます。
しかし燃費を向上させ、温暖化ガス排出を抑える自動車に対し、国は「エコカー減税」として重量税の減免を行っています。
電気自動車や燃料電池自動車のような次世代自動車は、2020年4月30日までに新車登録された車の自動車重量税を、100%免除するよう定められています。
さらに新車登録時の自動車重量税が免除となった車は、3年後の初回車検時の自動車重量税も免除となり、合計5年分82,000円分の自動車重量税が0円になるのです。
自動車重量税(車体重量1,850kg)
- 新車購入時:49,200円
- 初回車検時:32,800円
合計82,000円(5年分の自動車重量税)が、エコカー減税の対象車は「0円」に!
自賠責保険料、印紙代は変わらず
画像引用:三井住友海上
エコカー減税により自動車重量税は大きく減税されますが、法定費用である「自賠責保険料」は、残念ながら減免の対象にはなりません。
「自賠責保険」とは?
自賠責保険(共済)は、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補てんすることにより、基本的な対人賠償を確保することを目的としており、原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられています。
自賠責保険料は車種や重量、環境性能による金額の差は無く、自家用自動車は一律で同じ保険料を支払うよう定められています。
自賠責保険は2020年4月1日以降の契約分から保険料が見直されることが決まっており、新車購入時には3年分として35,950円から29,520円へ、継続車検時には2年分として25,830円から21,550円へ値下げされます。
また法定費用には、車検の検査代として支払う「印紙代」があります。
印紙代は5ナンバー車の場合は1,700円、3ナンバー車は1,800円とされており、ミライは5ナンバー車に該当します。
指定工場で車検を受けることで1,200円程度に抑えることはできますが、印紙代にはエコカー減税のような減免措置は設定されておらず、ミライも他の車と同額を支払う必要があります。
自賠責保険料と印紙代は、ミライも他の車と同じように費用がかかります。
MIRAI(ミライ)は水素タンク点検費用が必要
車検には法定費用のほか、業者に支払う車両の整備のための費用がかかります。
ミライは一般的なガソリン車と比べ、業者に支払う費用に違いはあるのでしょうか。
燃料タンク容器検査料が約2万円かかる
画像引用:トヨタ公式サイト
ミライには水素を溜めておくための燃料タンクが搭載されています。
ガソリン車には必要のない水素用の燃料タンクは、独自の検査を行うことが義務づけられており、別途検査のための費用がかかります。
燃料タンク容器検査料は、およそ2万円程度必要とされています。
トヨタの公式によれば、高圧水素タンクの保証期間は5年または10万kmの早いほうとされています。走行距離や経年に応じて劣化していく部品ですので、車検ごとの点検は必須といえます。
へー
車検時のタンクの検査、
タンクの耐用年数有るんですね
読んでる途中ですが…#Tesla
テスラ関係ないか(笑)#mirai#fcv
https://t.co/1UOi1ENjDO— ライケル01 (@rIchle01) February 14, 2020
TGRラリーチャレンジ 福島 2018
車検前、点検中のMIRAI#国沢光宏#mlitfilter#エムリットフィルター#INSPAIR#PM2.5#花粉#エアコンフィルター#TGRラリーチャレンジ#kunisawa#mirai https://t.co/UnV4h4u0Z4 pic.twitter.com/PWr7E2bf8q— MLITFILTER (@mlitfilter) January 24, 2020
パーツ交換費用はやや高めの予想
ミライは本体価格が741万円という、非常に高額な自動車です。
トヨタの高級セダンであるクラウンの高級モデルと同等の価格であり、その価格にふさわしい高級な内装や先進安全装備を搭載しています。
その分使用されるパーツの価格は高級車並に高額になることが予想されます。
販売台数も2020年1月時点で通算3,300台程度であり、交換用の中古パーツが多く流通はしていません。
初回車検時にはそれほど多くのパーツ交換は必要ないでしょうが、時間が経過するにつれて車検にかかる費用は高額になっていくといえるでしょう。
車検時にパーツ交換が必要になった際には、ある程度高い費用がかかることは予想しておく必要があるでしょう。
MIRAI(ミライ)の車検で実際にかかった費用事例
初代ミライが発売されたのが2014年12月であり、2017年末には初回の車検を迎えたオーナーが出てきています。
実際にミライを車検に出した際、どの程度の費用がかかったのでしょうか。
実際にかかった費用は約14万円
実際にミライを車検に出した際の費用例を見てみましょう。
【整備代など】
●車検代行手数料 1万800円
●車検日常点検 工賃:2万9160円
●検査機器による測定検査料 工賃:1万800円
●ブレーキフルード交換 部品代:1814円 工賃:8100円
●エアフィルター交換 部品代:4320円 工賃:2700円
●エアコン洗浄 部品代:3780円 工賃:1620円
●フロントワイパーゴム交換(2本) 部品代:3638円 工賃:1296円
●イオンエクスチェンジャー・エレメント交換 部品代:2万736円 工賃:1296円
●MIRAI水素タンク容器検査料 工賃:1万7280円
○値引き −3637円【法定費用】
●自賠責保険料 2万5830円
●印紙代等 1200円■総計 14万733円
2015年12月に納車されたミライの初回車検時の費用例です。
オーナーによれば、エアコン洗浄やワイパー交換など、念のため行った項目も多く、さらに費用を削ることもできたとのことです。
改正前のため自賠責保険料はやや高めですが、エコカー減税により初回車検時の自動車重量税は免除されています。
注目すべきはMIRAI水素タンク容器検査料であり、17,280円と高額の検査料が発生しています。
水素タンク容器検査のために水素を満タンにしておく必要があります。
車検に向かう前に水素ステーションで給水素を忘れないように気を配るのを忘れないようにしましょう。