水素社会

水素社会の未来に対するアメリカや中国など海外の反応は?外国ではEV(電気)自動車が主流?

水素社会に対する海外の反応

地球温暖化対策の重要度が叫ばれる中、各国は二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして水素に注目しています。

「水素社会」と呼ばれる、水素エネルギーに生活が支えられる社会に向け、各国はどのような動きを見せているのでしょうか。

この記事でわかること
  1. 水素先進国アメリカの取り組み
  2. 商用車分野でトップを走る中国の取り組み
  3. 欧州は電気自動車に注力している
まとめ

水素先進国であるアメリカは、カリフォルニア州で多額の補助を出し、商用水素ステーションを集中して建造しています。

また商用車分野に力を入れており、FCトラックやFCフォークリフトの開発・導入が進んでいます。

中国は商用車分野では世界トップを走っており、町中に多くのFCバスが走行しています。また各国の燃料電池メーカーとの提携を進め、FCバスの輸出、水素ステーションの建造を進めています。


対して欧州はパリ協定で定められた温暖化ガス低減のため、電気自動車(EV)の導入に力を入れています。

温暖化ガスを排出する化石燃料車の廃止を強力に進めており、早い国では2025年から販売が禁止とされる他、EV車シフトを加速させるよう税制面や補助金面での強化を進めています。

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水素先進国の1つ・アメリカ

水素先進国の1つであるアメリカは、水素エネルギー導入への積極的な取り組みを見せています。

カリフォルニア州を中心に水素ステーションを展開

水素ステーション画像引用:三井物産

アメリカは、まずカリフォルニア州を先行導入エリアとして、水素エネルギーが利用できる環境を整えています。

2019年4月時点では、カリフォルニア州内には39の商用水素ステーションが建造されています。

さらに補助金の導入が確定している水素ステーションの建造は23が予定されており、既存の水素ステーションを合わせると2020年には62か所に増加する見込みとなっています。

加速的な水素ステーションの増加の背景には、カリフォルニア州による水素ステーション建造に対する費用の最大85%を補う補助金があり、今後もさらに水素ステーションの建造が加速することが期待されています。

2018年時点で既にトヨタのMIRAIの出荷販売台数は日本全体の台数を上回っています。

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大型商用車の動きが活発

FCトラック画像引用:Nicola Motor

またアメリカでは日本が小型乗用車に力を入れているのとは異なり、大型商用車に力を注いでいます。

アメリカのEVスタートアップであるNicola Motorは燃料燃料電池(FC)トラックにも力を入れており、2016年12月には世界初のFCトラック「One」を発表しました。そして2018年11月には同社が欧州向けに発売と予定している3モデル目のFCトラック「Tre」を発表しています。

Treは航続距離は500~1,200km、水素充填時間は約20分と実用的なスペックを実現しており、2020年にノルウェーでの走行テストを実施する予定とされています。

FCフォークリフト導入が2万台を突破

またアメリカでは商用FCフォークリフトにも力を入れ、導入台数が2万台を突破しています。

Amazonではニューヨークの集配センターへ、液体窒素貯蔵装置と共にFCフォークリフトを導入の導入を見込んでいます。

トヨタもFCフォークリフトを開発しており、元町工場やドイツのメルボルン工場やなどでまだかなり少ない台数ですが稼働させていますね。

FCフォークリフトの値段は・・1400万円と!!

中国は各国とのパートナーシップを強化

中国はFCバスの分野においては世界トップであり、中国全土で続々とFCバスを導入し続けています。

また各国の燃料電池メーカーとの提携を強化し、水素エネルギー技術の向上に力を入れています。

成都で200台のFCバス

FCバス画像引用:AFP BBNEWS

中国の自動車メーカーの一つ「北京億華通科技(Sinohytec)」は、中国西部の成都市において、2019年7月29日に20台のFCバスの走行を開始しました。

また濰柴動力股份有限公司(Weichai Power)は合計2000台のFCバスの投入を計画し、山東省(Shandong)、濰坊市(Weifang)、浙江省(Zhejiang)、嘉善県(Jiashan)で次々と新たなFCバスが運行を開始しています。

進むアメリカ企業とのパートナーシップ提携

アメリカのハワイ州は、アメリカ国内で最も化石燃料に依存している州として「Hawaii’s Clean Energy Initiative」を展開し、2045年までに100%のクリーンエネルギーを実現するという目標を掲げています。

その一環として、カリフォルニアのUS Hybrid社と中国の比亜迪汽車(BYD)が共同開発したFCバスの導入を予定しています。

また中国では2019年末において52か所の水素ステーションを設置していますが、これに加えて北京中科富海(Fullcryo)はアメリカのAir Products社と協業し、中国で最初の液化水素の充填ステーションを設置することを発表しました。

設置は広東省からのようですね!


中国では2030年までに1,000か所の水素ステーション建造を計画しており、今後も海外企業とのパートナーシップによる水素ステーション建造が増加していくことが予想されます。

欧州では電気自動車を促進?

中国、アメリカ、そして日本が燃料電池自動車に力を入れる中、欧州では電気自動車(EV)に力を注ぐ傾向を強めています。

ドイツは補助金を延長

ドイツ EV画像引用:日本経済新聞

ドイツは環境に配慮された低排出ガス車の購入促進のため、新車購入補助金の支給を行っています。2019年5月にはその期限が2020年末まで延長、さらに11月には2025年末までの延長が発表されました。

さらにEV車に対する補助金額も引き上げられ、純EV車の補助金を4,000ユーロ(約48万円)から、リストに掲載された価格に応じて5,000~6,000ユーロ(約60万~72万円)に引き上げることが発表されています。

また現在21,100か所設置されている公共充電スタンドを今後2年間で5万か所増設、2030年までに100万か所に増やす目標を立てています。

温室効果ガス削減を推し進めたい欧州

2015年に締結された「パリ協定」により、各国は温室効果ガス削減に積極的に取り組むこととなりました。協定の舞台となったヨーロッパでは他地域よりも強く推し進めたいことから、強引ともいえるほど積極的な取り組みを見せています。

ノルウェーでは2025年以降はEV車のみ販売を許可するという方針を打ち出し、それに伴いEV車購入時の税金を免除するとしています。同様にオランダ、ドイツ、フランスはガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する方針を固め、それぞれ2025~2035年の間に化石燃料車の販売停止を発表しています。

燃料電池技術への参入も開始

ドイツ ボッシュ BOSCH画像引用:ボッシュ公式サイト

EV車へのシフトが進む中、ドイツの自動車メーカーの一つであるボッシュ社は燃料電池自動車開発に着手することを発表しました。

1億ユーロ(約120億円)を投資した技術開発を行い、2022年には燃料電池自動車量産開始を目標としていますね。

日本における水素社会自体のロードマップについては下記にまとめていますので参考にしてみてください。

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