新技術

自動運転にブロックチェーンはどのように活用するのか?5Gが必要な理由も解説

自動運転とブロックチェーン

人間が運転しなくても自動車が走行する「自動運転」の到来が、刻一刻と近づいてきています。

テレビやアニメで見た夢の技術である自動運転ですが、そこに新しい情報技術であるブロックチェーンを活用しようという動きがあります。

ブロックチェーンのイメージ今回は自動運転とブロックチェーンの関係性についてご紹介します。

この記事でわかること
  1. ブロックチェーンとは何か
  2. 自動運転とブロックチェーンの関係
  3. ブロックチェーンが抱える問題点
自動運転にブロックチェーンはどう活用される?サマリー

ブロックチェーンは、「ビットコイン」などの仮想通貨を支え管理・運用するための中核の技術であり、取引の履歴を記録するデータベースとも言えます。

ブロックチェーンは高いセキュリティ性を持つ情報技術として評価されており、自動運転にもその技術の活用が検討されています。

自動運転技術の開発は、まだ少数の国や企業のみが参加しており、十分な量のデータを得られていません。

もしブロックチェーンを使い情報の共有が進めば、多くのデータの共有が進み、自動運転技術の進歩につながるかもしれません。

しかしブロックチェーンはデータの共有に即時性がなく、また一度ネットワーク上に上がったデータを削除・修正する方法がありません。

これらの欠点が影響しない用途での自動運転への活用には、もうしばらくの時間が必要でしょう。

まずは「自動運転って何?」という点について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!

参考記事】自動運転のレベルとは?トヨタやホンダの動向・現在の状況についてわかりやすく解説

遅延の少ない次世代通信規格「5G」が、ブロックチェーン×自動運転の技術発展を飛躍させると言われています。ソフトバンクなどが5G携帯を一般向けに発表したりと一気にサービス化が進んでいます。

ソフトバンクの5Gラボとは?

ブロックチェーンとは?

ビットコインとブロックチェーンブロックチェーンとは、仮想通貨「ビットコイン」などの管理や運用を成す中核の存在であり、高いセキュリティ性を持つ情報技術として非常に注目されています。

膨大なデータを分散して管理

ブロックチェーンの仕組みビットコインは「パブリック型」と呼ばれる、中央集権的な管理者を持たないネットワーク上で運営されています。

ブロックチェーンはユーザーそれぞれが主権者としてお互いに通信し管理しあうことで、金融機関を通さずに管理しあうことから、「分散型取引台帳」とも呼ばれています。

ブロックチェーンって何?解説動画↓

誰も改ざんできない優れたセキュリティ性

仮想通貨の取引は「トランザクション」と呼ばれる履歴データとして記録されます。

この取引データの集合体は「ブロック」と呼ばれ、取引内容はハッシュ関数により「ハッシュ値」に暗号化されています。

ブロックには「トランザクションの記録」「直前のブロックのハッシュ値」に加え「ナンス値」と呼ばれる数値が保存されています。

このナンス値を入れることで一定の条件を満たすハッシュ値を作り出すことができ、これによりデータの整合性を保つ事が可能となっています。

ブロックチェーンは自動運転にどう活用できるか

データのセキュリティ性に優れるブロックチェーン技術は、自動運転に対してどのように活用できるのでしょうか。

改ざんできない走行データの収集

自動運転のイメージ自動運転の実現のためには、様々な内容の膨大なデータが必要とされます。
現在自動運転に関する研究は限られた国でしか行われておらず、十分な量・質のデータの収集は行えていません。

もしデータの共有にブロックチェーンを利用すれば、限りある検証データの共有が可能となります。

またブロックチェーン上のデータは改ざん不可である性質から、データの内容は信頼できるものとなり、再検証の手間もかなり省略できるでしょう。

また今後新たに自動運転開発に参加する国や企業が現れた際にも、データの共有と交換が容易となる可能性を秘めています。

自動運転×ブロックチェーンでセキュリティデータを強固に保護

ハッキングのイメージ自動運転はAIにより行われるため、ハッキングのような電子的な攻撃に対して弱さを持つ可能性があります。

それらに対抗するためのセキュリティ関連データや、セキュリティソフトウェアの運用に関するデータの保護に、ブロックチェーンを活用出来る可能性があります。

ブロックチェーンの問題点

事実上改ざんが不可能であるブロックチェーン上のデータの活用により、自動運転技術は大きな飛躍を遂げる可能性があります。

しかしブロックチェーンはいくつかの欠点もあり、自動運転に関するすべての問題を解決できるわけではありません。

データ更新に時間がかかる

ブロックチェーンは世界中のネットワーク上で管理が行われるため、データの更新に一定の時間がかかります。

現在のビットコインのデータは10分に1回整合されており、すべてのデータがリアルタイムに更新されるわけではありません。

自動運転に関するデータ収集にブロックチェーンを活用するとしても、同じように更新に時間がかかることが考えられます。

今後技術の進歩により、ある程度更新までの時間を短縮できたとしても、即時性を求めるようなデータのやりとりに活用するのは難しいでしょう。

データの修正・削除が出来ない

個人情報とブロックチェーンのイメージブロックチェーンには管理者が存在しないため、ネットワーク上のデータを修正・削除する権限を持つ者がいません。

そのため、個人情報に紐付くような記録をブロックチェーン上で利用した場合、二度とそのデータを消滅させることはできなくなってしまいます。

もし何らかの理由で個人情報に紐付く情報を利用することがあるなら、ブロックチェーンにつながる管理可能なシステム上でのみ扱い、ブロックチェーンのネットワーク上では直接扱わないようにしなければいけない、など運用の設計が重要となってきています。

5Gと自動運転の関係性

次世代通信規格の5Gには下記の特徴があります。

  1. 低遅延 ⇒リアルタイムな通信を実現
  2. 高速・大容量 ⇒大量の画像や動画の通信を高速で実現
  3. 多接続 ⇒大量のデバイスや機器を一度に接続することができる

自動運転で5Gが必要な理由やそのメリット

AIディープラーニングと自動運転のイメージ刻々と状況が変わる運転環境にリアルタイムでの通信は不可欠です。

また、自動車も大量の台数があるため、1台1台の制御や通信に、大容量かつ多接続を実現できる規格が必要であり、5Gの実現とともに自動運転が飛躍すると言われています。

従来のカーナビレベルではない、続々と更新される3Dマップデータと、各車同士の通信や位置関係のデータ連携による事故防止など、様々なメリットや可能性が議論されたり実証実験が進んできています。

自動運転により、乗員に対してのお金や収益を生むビジネスも新しく出てくるでしょう。

  • CMの配信
  • 映画の配信サービス(VOD)
  • 車中でVRネットショッピング
  • アバターを使って移動中に英会話レッスン
  • 車中でのより良い睡眠の充実

今、自宅や部屋でできていることがそのまま車中でできるようになってくるので、様々な切り口で少しズラすだけで色々なビジネスが生まれそうです。

自動運転中に睡眠を取る女性

これらのデータをブロックチェーンに記録し、その記録やデータを使ったマーケティングや最適な商品を提案してくれるサービスがクルマの中で実現するようになってくるのかもしれません。

アイデア勝負ですね!

ブロックチェーンを自動運転に活用する取り組みに対してのネット上の評判は?

自動運転のセンサーイメージブロックチェーンを自動運転に活用する取り組みに対するネット上の声を集めてみました!

ネット上では、自動運転にブロックチェーンを活用する取り組みに対して期待する声が多いようです!

多くの課題が残るブロックチェーンの活用ですが、実用化が楽しみですね!

自動運転×ディープラーニングについて知りたい人はこちらの記事をどうぞ!

【関連記事】自動運転×ディープラーニングの仕組みとは?AIのレベルとメリット・デメリットについて解説

そのほかの先進技術の活用に関する情報はこちらの記事もご参考に!

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